2007年秋、筑豊の草原で見たハバヤマボクチ
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バレンタインデーの午後「生物多様性国内対話 福岡会合」
に参加。最大時80人程度参加だそうで盛況だった。

プログラムは

■内 容:「30分で分かる生物多様性条約」
        (財団法人日本自然保護協会 道家さん)
     「生物多様性条約COP10と日本の取り組み」
        (環境省自然環境局生物多様性地球戦略企画室
         奥田さん)
     「九州地域における生物多様性の保全」
        (環境省九州地方環境事務所 荒木さん)
     「CBD市民ネットが目指すもの」
        (生物多様性条約市民ネットワーク 伊藤さん)

     質問をポストイットに書いて、数の多い質問に演者対応

     「つないでいこうー私たちの生物多様性」
        (ワークショップとパネルディスカッション)

        パネルディスカッション 演者小野仁さん、道家さん
         奥田さん 
総合進行 永田さん
進行    志賀さん
その他の方々、、

伊藤さんまでが講演。この中で印象に残ったトピックを
あげてみると、、

○生物多様性についての国の取り組み

 生物多様性国家戦略を定め、生物多様性が社会で
 主流なものとなるようにいろんな取り組みをしている。
 そのためには行動目標とその指標が明確になるのが大切。
 生物多様性国家戦略は「戦略」と「行動計画」で
 構成されるが行動計画がそれにあたる。
 地方レベルではたとえば埼玉県では生物多様性保全県戦略
 を定めている。

 具体的に市民が参加しやすいものしては5/22生物多様性の日に
 グリーンウェイブという植樹のイベントを行う。

 また環境省には生物多様性保全推進支援事業というものが
 あり、来年度の募集をいま行っている。
 福岡市は今津干潟の保全に関わる活動にこの事業を活用している。

○地域固有性が大切

  荒木さんの九州地域の具体的な話題がとても印象深い。
  草原の多い阿蘇町ご出身。
  30年ほど前は20戸ほどの集落のうち16戸が牛を飼っていた。
  いまは4戸/20戸が飼うのみ。

  昔は蓄えとして牛を飼っていた。木を植えるようなもの。
  進学や結婚の時に売って換金する。
  30年ほど前は子牛1頭7,80万円
  いまは4,50万円。

  1年の暮らしは牛、草地とともにまわっていた。
  3月上旬は放牧前の野焼き
  連休はわらび、ぜんまいとり
  盆前は盆花に使うヒゴタイ、ナデシコ、ユリなどを
  取りに。
  秋口は冬の牛のえさとして刈り干し切り(草刈り)に
  行く親についてヤマグミを食べた。

  大規模農家は増えたが近くの草地を使うほそぼそと
  各戸で牛を飼う営みは減った。
  草原を使わなくなると草原に木がはいり
  草原固有の植物は少なくなっていった。
  
  このような状況から草原を回復するため
  阿蘇草原再生協議会という組織ができている。
  
遺伝資源へのアクセスと利益配分
  (Access to genetic resource and Benefit Sharing
   通称ABS)

  生物多様性についての国際的な話し合いの中では
  地元国に遺伝資源が使われるようにという動きと
  人類共有のものとしようとする動きがある。
  地元国にというのが主流だがそうなると損をする
  国もあるということでなかなか調整が難しい。
  大事な課題の一つ。
  

ここで、質問をポストイットに出し、休憩後 質問に演者が対応された。

続いてワールドカフェ形式のワークショップ。
どんなものかと思っていたら、、
・全体をいくつかのグループに分ける。
・出たお題をグループで話し合う。
・ひとりを残して他のグループにはいる。(旅に出る)
・新たな組み合わせで同じお題で話し合いをする。
・元のグループにもどる。いままではいっていた
 グループで出たことについて「旅の土産話」をし
 話題を深める。
ということだった。

お題は。
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はいったグループでの話をメモしたもぞう紙
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このグループの主な議論の内容は
・生物多様性という言葉はどういう意味か、
 とにかく難しい。
・誰にどのように伝えるのか。
 各自はどうやって何を伝えているか。

出た意見は
学習指導要領は10年度から生物多様性重視となっている。
 学校での教育はやはり力がある。
・観察会など体験の場で伝える。
・環境省の出している生物多様性国家戦略のきれいなパンフレットを使って
 勉強会、県の出前講座依頼等 公的なサービスを利用する。
・IUCNの生物多様性の解説冊子を利用する。  

・しかしそもそもこの場に来ていない人にどう伝えるか。
 生物多様性が暮らしの場に生まれた時からなかった
 若い親世代にどうやって伝えるか。
 学校で子供にだけ伝えてね、ヨロシクではまずいんじゃないの、、、
 暮らしと生物多様性がつながると実感することが大切だよね。。

このターゲットの話は、全体でのパネルディスカッションでも出た。

話は尽きせぬが、、
誘導、受付、進行、記録などスタッフをされた皆様の中には
ご担当業務をされていて一部お話しを聞けなかった方も
おられたかもしれません。
協力に名前をあげた団体の皆様
調整をされた皆様
参加されてともに場をつくられた皆様

ありがとうございました。皆さんのおかげさまで
参加させていただきいろんなことを考えるよい機会となりました。

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【しばりん】
もぞう紙だが、成り行きでひとりが書いていった。
休憩時間に「自分も書こうかな」と
・木の絵を書いた人
・「生物多様性の絵本があるといいな」と書いた人
がおられた。
思いを表現する機会があるって大切だな~と感じた。