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先日、85歳の篤林家さんが7年前に植林したという山を見せてくださいました。そのとき「自分が子どもの頃によく見ていた曲がりくねったメアサが、最近では真っ直ぐ太くなっている」と言われていました。メアサとは、杉の品種の一つで、霧島神宮のご神木でもあり、太く大きくなる「晩成種」と言われています。ただ、そのおじいさんが植えられた7年生のメアサもそうでしたが、びっくりするほど幹が曲がっていて、どう見ても除伐した方が良い劣性木に見えます。これが100年経つと、真っ直ぐになってぐんぐんいつまでも成長するなんて、にわかには信じられない感じです。


九州の杉の品種は100種類以上と言われています。

また、日本には92万戸の林家さん(保有山林面積が1ha以上の世帯)がいらっしゃいますが、自分の家の山がどこからどこまでという境界を知らない方や、「山に行ったこともない」と言われる方も少なくありません。だから、たとえばこのメアサのように、「この木を100年後まで育てて行きましょう」と言えるような林家さんというのは、実は日本の林業においては、超希少な存在です。


100年後の日本の経済や住宅事情がどうなるかなんて誰にも分からない。

それでも、木を育て山を守り続けている林家さんって確かにいます!

そこにある価値観って、刹那に生きる私には痛いほど大切だと感じます。

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さて、冒頭のおじいさんが、教えを受けに行かれていた先生は、栗屋克範さんと言われます。 (写真は、栗屋さんが講師をされた育林に関する研修会の様子)

 

明日、11月3日に福岡市中央区に栗屋さんをお招きした講座を予定しています。
山との縁が薄い都市の方に、100年も200年も山を継いで行く意味について語ってくださいます。
栗屋さんのような林家さんをたくさん知る作家の浜田久美子さんもご一緒です。


『日本の森、九州の森の声を聞く ~ 森の持つ力 ~』
日時:11月3日(水・祝) 13:00~17:00

まだ、お席に余裕があります。

もし、ご興味がございましたら、ぜひご参加ください。

(事前にお電話いただいた方が確実です)


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【もり じゅん】