ふくおか森づくり日記

ふくおか森づくりネットワークのブログ

2009年12月

頑張る人

年末、懐メロが流れるテレビを聞きながら
時間は秒読みだが準備はナカナカで2009と
お別れ。

数日前「村田英雄の浪曲が」というアナウンサーの声が
ロウ=蝋 と聞こえてしまう。
かなり頭が蝋化している。

「森とツナガル休日。」で櫨蝋に接する機会がまもなく
というのもあるが、どうもこれを機に記憶が呼び起されている。

え~、江戸時代、ナントカいう学者が櫨を植えて蝋をとった、
というような話を何かで読んだよね。
なんか暑苦しいくらい一生懸命な人という印象が残る。
しかしいったい誰だろう?
櫨といえばココ、という松山櫨蝋復活委員会さんの
ホームページを拝見していたらあった!
「大蔵永常」

この言葉で以前読んだ本にたどりつく。
装丁が懐かしい、お久しぶりです。
img20091231.jpg

筑波常治 国土社 1999

江戸後期、日田で生まれた大蔵永常は蝋製造に従事する。
祖父は綿花をつくるなど、工芸作物に親しい環境だった。
学問をしたいが親に阻まれ、国元を飛び出す。
誌国遍歴する中で、様々な工芸作物に接しその栽培や
加工に精通する。
また、コメ作だけに頼り、蓄財ができない農業経営が
不作の年は食べるにことかく有様を見る。

それで工芸作物の本を書くようになった。
遍歴の中で出会ったフツーの人たちを
思い浮かべ、図を多用し、会話仕立てにしたり
とわかりやすく正確に伝えることに意を砕く。

人生後半、藩に仕官もするが、藩主が逼塞したり
木が育つのに時間がかかるので結果がすぐ出ないと
評価が得られなかったり、、このへんは現代にも通じる。
最後は江戸にもどる。

後書きの一節。
『農家の暮らしをらくにするためには「儲かる農業」を
 さかんにしなければならないと永常は考えた・・』
時代が生んだ人だけれどいつの世にも通じる
強い志に思わず手が止まる。

しかし、こういうすごい人を生んだ日田の風土に
今更ながら心ひかれる。
単に昔天領だったとか、美人が多いとかいうイメージしか
なかったので。
日田市ホームページには大蔵永常についての記述があります。
http://www.hita.ne.jp/~city/his/nagasue.htm

前掲書は福岡市総合図書館所に蔵です。
出版元では絶版となっています。
http://www.kokudosha.co.jp/search/info.php?isbn=9784337210110
しかしオンライン書店でも入手できるようです。
http://www.bk1.jp/product/1671354


そろそろサヨナラ2009。

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【しばりん】

土佐龍

人が集まる季節、果物を卓上で切ったりするのに使う
まな板。これも新調の時期でした。

行きつけのショッピングモールの家庭用品店にて
こじゃれたラベルで気になっていた商品。
1000円チョイ。う~ん。
もっとカラフルで安いプラスチックまな板も店内にもたくさんある。
木や材は身近にあるのでそれをちょっともらってとも
思った。百均だったら100円とも思った。
しかし今から家が建てられるわけでなし、
日本の森林への寄付と思いきって買いました。(大げさな、、)

高知の四万十ひのき
img20091229.jpg


製造元 株式会社 土佐龍
http://www.tosaryu.com/
http://www.works128.jp/tosacoya/tosaryu.htm

ラッピングの外から見て「集成材だな~」と
思っていたが、ばりばりとあけるとぱあっとヒノキの
よい香り。

どうい背景のメーカーさんなんだろうと思って
検索してみました。
元々林業とおつながりがあり、間伐材をムダなく
使いつくしているようです。
米国の販売会社の注文で米国市場用の商品を作るようになりましたが
販売会社が日本展開することになったようです。
米国籍のデザイナーさんが商品のデザインをしているようす。
土佐龍さんのホームページは米国とのつながりなどとても面白いです。
http://www.tosaryu.com/top/about/usa/usa1.html

まな板などの台所回りのみならず、バスルーム用品
アロマグッズなどの商品もあります。
材もヒノキのみならずクスノキ、サクラも手掛けているようです。
購入したお店は30代くらいのお客さんが多かったです。
通販は土佐龍さんが直接でなく四国の田舎プロダクツを扱う
「とさこや」さんが窓口。

http://www.works128.jp/tosacoya/index.htm

米国の家庭用品販売会社さんと土佐龍さんてどうやって出会ったんだろう?

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【しばりん】

自然素材のいいもの

年末はひたひたと近づいてくる。
改めてみると、こりゃもう新調したほうがいい
座布団皮とかカーテンだが、もう時間や予算が、、、

大きなものはちょっとおき
このデフレの世の中でも
お財布と相談はいるが
ずっと使うには自然素材の
いいものをと思う。

購入できるものも見るだけのものもありますが
地域の自然素材を使ったいいものの
展覧会がふたつあります。
お近くにおいでのときはいらしてはいかがでしょうか?
どちらともワークショップや関連イベントもあるようです。
年末年始休暇もあるのでチェックしてね!

「郷土の美術をみる・しる・まなぶ
vol.1  博多工芸ぶらぶら散歩」展


福岡県立美術館
(12/12~1/31)
http://fpmahs1.fpart-unet.ocn.ne.jp/cont_j/topics/topics_det1_8.php?TOPICS_ID=199

img20091227.jpg


九州杉デザイン展
「杉をデザイン、暮らしをデザイン、環境をデザイン」


熊本県伝統工芸館 2階常設展示室
《会   期》 平成21年12月8日(火)~平成22年1月31日(日)9時~17時
          月曜休館(月曜日が祝日の場合、翌日が休館)
《展示内容》 ・杉製品での暮らしの提案 ・木育遊具 ・組子家具
         ・テーブルウェア ・杉、ヒノキの室内用サンダル
         ・照明器具 ・昔懐かしい杉の家具 ・杉、桧材の紹介

http://cyber.pref.kumamoto.jp/kougei/dbpac/topics/asp/topics_frm.asp

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【しばりん】

町を訪れた鳥

所用で福岡市東市民センターに行く。
一階ロビーを通り過ぎようとした時
たくさんの鳥が目に入り、思わず
展示ブースへ。
img20091226.jpg

「クロツラヘラサギと友達になろう」という
パネル展示。主催ウェットランドフォーラム
クロツラヘラサギについての説明パネルに続き
たくさんの大きな写真がある。
新聞やテレビではよく見ていたが、写真はまったく
ちがった迫力。
img20091226_1.jpg

心ひかれた写真。
・むこうに住宅がみえる川のヨシ原にいるクロツラヘラサギの群れ
・田んぼで今まさに餌のカエル?をゲットして羽ばたくクロツラヘラサギ
・夕日を受けてオレンジ色に染まる三羽の寄り添うクロサラヘラサギ

ヨシ原や田んぼなどの人に縁の深い自然環境と
そこで憩うトキというのにグッときてしまう。

先週の「ダーウィンが来た」を思い出す。

佐渡から島抜けした雌のトキが新潟にいる。
日中 餌を田んぼでとって夕方ねぐら入りするのを待って
ねぐらそばの橋はすごい人だかり。
近所の人「あっ、二羽とんできた、こっちがトキよ」
アナウンサー「よくわかりますね~」
近所の人「だって愛しているんですもの~」
トキは樹木の茂った森に舞い降りて一本の木にとまる。
これがトキのねぐら。

ふと、この市民センターの近くで最近失われた小さな森を
思いだす。ここにもトキと同様大型の鳥であるサギなどが
夕方舞いおりたりしていたのに。
身近な自然の環境と生き物のつながりって口で言うより
こんな映像が分かりやすいよね~

先日の飲み会で友人が知人の話をしていた
「環境問題に興味がないけど、クロサラヘラサギが素敵だと
 言って職場でみんなに見せたり話したりしているんだって」
「いや~、そりゃ、かなりきているね~
 そんな人がフツーに増えるといいね~」

東市民センターロビーでこの展示がいつまで行われているか
聞き損ねたが、1月には油山自然観察の森で展示されるそうだ。
1/9(土)~1/24(日)クロツラヘラサギ、油山へ行く。

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川と繋がる伝統工芸

八女伝統工芸館前の水車。
八女の石材加工の技術を活かし以前は
貴重な動力源だった水車をつくっている。
img20091225.jpg


少し前のことだが「矢部川流域の伝統工芸を学ぶ」
参加する。

まず筑後の歴史語り人 松田久彦さんからお話し。
矢部川流域に江戸時代に風土を活かした蝋、紙すきなどの産業が
振興したのは、肥沃な土地からの米による収入をうまく蓄財し
武士階級と繋がる庄屋などが中心となって興したためというお話しがあった。

続いて、蝋、樟脳、和紙、杉線香などの生産者の方々から
それぞれの生業についてお話し。
ずっとメディアなどでご活躍を存じ上げてきた方々から
具体的なお話しをうかがいとても充実した時間となった。
この詳細は、素敵な写真の松山櫨復活委員会さんのブログを。
http://blog.goo.ne.jp/elster/e/41d603f241e5e4fc2bca049b2d8b8b59

印象に残ったこと。
・それぞれの同業者は30年前は二桁おられたが現在は
 ひと桁か1社のみとなっていること。家族で行っている
 以前からの職人さんとともに行っているのでやっていけるが
 新たな雇用や後継者の育成というのがたった今なかなか難しい
 ということ。

・原材料等の入手について、時代とともに変遷があり、業ごとに
 状況が異なる。
 剪定枝、伐採木などは以前は野焼きができたが法律により難しくなった
ので樟脳の原材料クスの木をもちこんでもらえる。(樟脳)
 楮などは以前田の畔によく植えられそれを和紙の工場に
 もちこむのが農家の冬季収入としてこられたが機械化などにより
 そのような傾向がなくなりつつある。(和紙)
 水車に使いたい松が入手困難で杉を使った(杉線香)

・生産施設の維持管理の負担が異なる。
 杉線香は水車を使っておられるが、水車を動かすための水路の維持管理
 費用は農業用水路と異なり補助金が出ない。
 水路の維持は労力を要す。(杉線香)

・NPOなど市民や行政の「応援団」がおられる。
 蝋は松山櫨復活委員会さんが。
 杉線香さんは昨年の水車の取り換えに募金の中心になった方々が
おられた。

一連のお話しをうかがいながら
最近うかがった講演の、石油生産のピークをまもなく迎える中
国産のバイオマス資源、エネルギー特に山間地の小水力発電などが
注目される、という話を思い出していた。
どうぞよい風が吹いてきて、これら風土・歴史を活かした素敵な産業が
振興するようにと思った。
また話し手の方々の魅力的な語り口、主催された「矢部川をつなぐ会」さん
のお心配りにきっとよい風が吹いてくると感じた時間だった。
福岡で当日仕事などで奮闘していた友人、仲間たちにぜひ聞かせたかった。
 
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【しばりん】
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