少し横道にそれますが、
オリンピックを機になぜ森林認証制度を広めているのか。
スポーツの祭典として広く認識されるオリンピックですが
開催国では大規模施設の準備、人の移動への対応が必要になります。
国際オリンピック委員会では、オリンピック開催に当たって
すべての側面で持続可能性に配慮することを目標にあげています。
開催国ではIOCの定めるガイドラインに沿った資材調達基準を定めますが
木材調達の面では、過去7大会で使用された木材の9割以上が
森林認証を受けた木材であったそうです(参考文献)。
オリンピックを機にした森林認証制度の普及推進は、
日本がこの国際基準をクリアするための布石でもありました。
日本がこの国際基準をクリアするための布石でもありました。
IOC スポーツ、環境、持続可能な開発のためのガイド(日本語版)
https://www.joc.or.jp/eco/guidebook2008.html
では、オリンピックを機に日本社会で木材調達のあり方が劇的に変わるのか?
東京大会に先んじて、天然資源にまつわる問題に特化した団体から
東京の大手ゼネコンの建設現場で使用されるコンクリート型枠用合板の調達先が
マレーシアの熱帯林破壊をすすめ、
原住民との紛争を抱える企業であることが指摘されていました。
原住民との紛争を抱える企業であることが指摘されていました。
衝突する二つの世界/グローバル・ウィットネス(2014年12月)
https://www.globalwitness.org/olympicsjp/
※大変興味深いので是非ご覧ください。動画もあります。
しかしながら、東京大会の木材等調達基準について、
国際水準に著しく劣るものであるとの意見書が
2019年にFoEジャパンから、2020年にWWFから提出されています。
国際水準に著しく劣るものであるとの意見書が
2019年にFoEジャパンから、2020年にWWFから提出されています。
世界的な木材消費国の一つとして、数十年に一度の国際的イベントを機にしても
変われなかった問題を今後どのように改善していけるのか、根の深い問題です。
変われなかった問題を今後どのように改善していけるのか、根の深い問題です。
参考文献:
概説 森林認証/安藤直人ら/2019/青海社
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(かわさき)