家を支える梁などの骨組みに
福岡の杉を使うための講習に参加。
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『福岡県産材スギ横架材スパン表』講習
プログラム概要
(1) 福岡県産材の強度試験について
         占部達也氏(福岡県森林林業技術センター研究員)
(2) 「福岡県産スギ横架材スパン表」に関する説明
     川崎 薫氏(川崎建築構造設計事務所所長)
(3) 質疑応答
主催 福岡県産材利用推進協議会

自分の参加動機は九州森林ネットワークフォーラム
の中でよく話題となる木の強さの指数
「水分含有率」、「ヤング係数」という言葉の意味を知ること。
それから、、大きく言えば木を使うためには山、木材の流通、
家を建てる立場、家を注文する人のことまで
知るのが必要だと思うので勉強させていただきたく。。
しかし、日々つり銭の計算もおぼつかない
頭でこの講習がわかるだろうか?
せめて寝ることがないようにと前日は長時間の睡眠。
結果は、、私でもわかりました。
(たぶん。話しの筋としてというレベルで。)
主催者、演者各位ありがとうございます。

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【しばりん】
定員99名の会場がほぼ満席。
建築関係らしい方々で埋め尽くされる。
福岡県地域材活用促進支援事業という
助成制度が始まったこともあり
よりオーナーさんの負担を少なくして
木の家をたててもらおうという気運が
盛り上がっている。

(1)福岡県産材の強度試験について
 木の強さをどのように測定したかという解説。
その行程は、、
①材の準備
 ・県内農林事務所管内のうち朝倉、飯塚、筑後、
   行橋地区から杉の丸太(末口:細い方)径32~36㎝を
   各50本集荷
 ・人工乾燥にかける。
  於 朝倉の堤木材さん、大きな断面を持つ材に有効な
  高周波・蒸気複合乾燥で実施。
 ・かんながけなどして角材にする。
②材の強さの測定
 A目視等級区分をきめる
   (見た目の色等の材質、含水率を調査)
 B機械等級区分をきめる(ふたつの方法ではかる)
 ・壊さずハンマーでたたいた振動を測定。
 ・材に重量をかけて耐えられる重さを測定。
③ スパン表:家のどの部材にどの材を使うか示した表の作成
  ・AとBを対応させた表を作成
  ・未乾燥材、等級がつかなかった材の取り扱いを決める
   (ここのところ具体的な方法を自分が理解していないです、、)
  ・家を建てた後も材の乾燥は自然に進むのでそれを
     見込んだ係数を織り込む。すでに公開されている
     大分、宮崎、熊本など九州他県のデータ参考。

(2) 「福岡県産スギ横架材スパン表」に関する説明
福岡スパン表
  ・実際の家を建てるにあたり家の重み、家財の重みに
   耐えられるようにするにはどこにどのような部材を
   使ったらよいかという表。
  (2)で出てきた材は強さにより名称がつけられていて、
    それを用いるようになったいる。
  ・例題で理解を深める。
   例題と聞いたとたん冷や汗が出ましたが
   スパン表の辿りかたを練習してみるものでした。
 
 (3) 質疑応答
Q.このスパン表は木材建築をするものとして
 非常にありがたい。これら乾燥材はどこで手に入れるのか。
 E50といったスパン表にある表示が材についているのか。
 
A.表の材は大きく3つの等級に分けている。
  現在県内での材の等級付けは機械等級区分をしているところは
  0、目視等級をつけているのは3社。うち人工乾燥は一社。
  県産材は無等級が圧倒的に多い。
  しかし現在浮羽の5社でグループをつくり県産材の等級を
  つける動きがある。2工場が機械等級を取得中。
  はやければ7月に取得。
  八女では2社が人工乾燥の導入にむかっている。
  今後供給体制ができるのでは。

Q. 今年長期優良住宅の認定を受けた住宅を手掛けた。
  提出資料に宮崎県のスパン表を添付した。
  今後は今回のスパン表をつけるとよいだろうか。

A. 当然このスパン表は建築基準法、木質構造設計基準を
  守っていて添付資料として有効と思う。
  ただ計算書をつけていないので長期優良住宅の受付機関が
  この表でOKするかはわからないが、受付機関から
  どのような計算式を欲しいと求められれば対応可能と
  思う。

現在の木材に等級をつけていない多くの製材所にも
配慮しつつ建築をする人が材を活用しやすい流れを
作って行こうとされているようです。

このような活動への期待を建築士さん方も述べています。
千建築設計さん
北九州の木で家を建てる会さん
なお、このスパン表づくりから講習までは主催者の冒頭の
ご挨拶で林野庁「地域における木のまち・木のいえ環境整備」
http://www.rinya.maff.go.jp/j/rinsei/hojojigyou/pdf/c21.pdf
の助成によると知りました。
「木のまち・木のいえ」事業は国土交通省、林野庁が共同して
行っているようです。